小説:I-State -侵略国家-

VS北夕鮮・尖閣諸島編

I-State -侵略国家- 第8話「深層領域」

――――マキは、味方であるカズマ隊員がいる地点へと急行していた。なぜなら、カズマが敵のリーダー格であるヨハンを尾行しているからだ。そして、ヨハンが本隊と合流したから。――つまり、ヨハンを含む敵本隊8名を、味方で取り囲み――殲滅する絶好の好機...
VS北夕鮮・尖閣諸島編

I-State -侵略国家- 第7話「レッドオーシャン」

――――”2つ目の通知” が視界に現れた時、部隊長マキは目を見開いた。”2つ目の通知” は、隊員たちの士気に関わる為だ。特に、新米隊員が多い 今回の様な場合は、重要な情報の通知・共有には、一時的 または 永続的に制限がかかる事がある。そして...
VS北夕鮮・尖閣諸島編

I-State -侵略国家- 第6話「正眼」

――先程まで親指が生えていた付け根から、焼ける様な熱さが込み上げて来る。「ぐぅ……あああああ!」男たちは激痛の中、理解した。この少年の居合が、我々には知覚できない速度で、親指を斬り飛ばしたのだ……と。一振りで、2本同時に!男たちの4本指の右...
VS北夕鮮・尖閣諸島編

I-State -侵略国家- 第5話「怒力」

赤い血が、滲む。左手の甲に刺した棒手裏剣。ダメだ。自分への怒りに任せれば、もっと強く刺すべきだ。だが、戦闘に支障が出る。支障が出ない範囲で――罰を与えなければ。この愚か者に!――棒手裏剣を握るカンナの右手に、更に力が入っていく。ぎりぎりぎり...
VS北夕鮮・尖閣諸島編

I-State -侵略国家- 第4話「世界最悪」

北夕鮮が ”世界最悪 独裁国家” たる所以。――血族による ”絶対支配”ギム一族が代々 総統として君臨し続ける独裁政権。民主主義を謳う為の選挙は行われる……が!ギム一族率いる夕鮮労働党 以外への投票者は可視化され、後日 逮捕。強制収容所に送...
国衛隊 入隊編

I-State -侵略国家- 第3話「中枢神経系」

早朝。──国衛隊の訓練開始の3時間前。「44……45……」オウカは、右の拳を床に突き立てて体を上下させている。片手での拳立て。この鍛錬法は、単純な腕力を上げるだけではなく、全身の筋肉を連動させる技術の向上も期待される。結果、強力な拳撃を可能...
国衛隊 入隊編

I-State -侵略国家- 第2話「最終目的」

赤い夜だった。先刻まで その眼に映っていた平和な世界は、一瞬で鮮血に彩られた。母の愛刀で、母を貫いた父。突然の惨劇に オウカは現実を受け入れられなかった。”自覚した悪夢から 抜け出せない”そんな錯覚を覚えた。満月が放つ光が、朱に染まった世界...
国衛隊 入隊編

I-State -侵略国家- 第1話「神国破壊」

東洋の島国・日ノ国。世界有数の富と資源を誇る、美しい国。国民は、永遠の平和を信じた。夢と希望に満ちた 輝かしい未来を疑わなかった。……だが、永遠の平和など存在しない。国境を越える悪意が この国を喰い潰す。平和は終わった。――この国は、侵略さ...